太陽用語集

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ヴァン・アレン帯:う゛ぁん・あれんたい
ヴァン・アレン帯とは、地球の周囲にあるドーナツ状の放射線帯のことである。 太陽からもたらされた荷電粒子が地球の磁場とふれることで、 放射線量の多い場所が現れる。それがヴァン・アレン帯である。 人工衛星は、ヴァン・アレン帯の影響をなるべく受けない軌道を周っている。
宇宙天気予報:うちゅうてんきよほう
宇宙天気予報とは、ふつうの天気予報のように宇宙の状態を予報することである。 たとえば、フレアの発生による GPS 衛星の不調をあらかじめ予測することにより、 スマートフォンの地図アプリの誤差が大きくなる、 ということを宇宙天気予報によってひとびとに知らせることができる。
宇宙線:うちゅうせん
宇宙線とは、宇宙をただよっている放射線のことである。 放射線なので生命には有害であるが、太陽風によってふせがれている。
エアロゾル:aerosol
エアロゾルとは、空気中にふくまれる目に見えない大きさの微粒子のことである。 花粉、黄砂や PM2.5 といった人間に悪影響をあたえる微粒子も、 エアロゾルに分類される。
オゾン:ozone
オゾンとは、酸素原子が三つ集まってできた分子のことである。 ちなみに、通常の酸素は、酸素原子が二つ集まってできた分子である。 さいきんでは、水道の消毒につかわれることが多くなっている。
オゾン層:おぞんそう
オゾン層とは、地球の大気に存在するオゾンの濃度が高くなっている部分のことである。 太陽からはなたれた紫外線には生命にとって有害なほど強いものがあるが、 オゾン層によってある程度吸収される。 オゾン層はむかしの地球にはなかったものであるが、シアノバクテリアが酸素を生みだしはじめると、 大気中の酸素が増えるとともに、オゾン層も少しづつ形成されていった。
オーロラ:aurora
オーロラとは、磁気嵐が発生したときに、地球の上空で見られる大気の発光現象のことである。 ふつうはアラスカやカナダ、シベリア、北ヨーロッパ、といった高緯度の地域でしか見られないが、 仮に、スーパーフレアが発生したとすれば、日本でもオーロラを見ることができるであろう。 過去にも日本でオーロラが見えた、と考えられる記録がのこっている。
可視光線:かしこうせん
可視光線とは、わたしたち人間に見えるふつうの光のことである。 もちろん太陽は可視光線をはなっているが、燃える炎や電灯も可視光線をはなっている。
ガンマ線:がんません
ガンマ線とは、わたしたち人間には見えない電磁波の一種のことである。 医療器具の滅菌処理などに使われる。 ガンマ線は放射線の一種であり、太陽からのガンマ線も本来ならば命にかかわるほど有害である。 ただし、太陽からのガンマ線はほとんど地球の大気に吸収される。 そのおかげで、わたしたちは安全に暮らすことができるが、 それはつまり地上からではガンマ線観測ができない、ということでもある。 したがって、ガンマ線観測には人工衛星が不可欠である。
極域カスプ:きょくいきかすぷ
太陽風が、地球の磁場と衝突して曲がる際、 太陽風に含まれる粒子のすべてが地球から逸れて外れるわけではない。 いくつかの粒子は、極域カスプという領域から地球の極に侵入する。 そのようにして侵入した粒子が、オーロラの原因となる。
極小期:きょくしょうき
極小期とは、太陽の活動が穏やかで、黒点の数が少ない状態の太陽のことである。 太陽は一定の周期(約11年)でこの極小期と、 はんたいの極大期とを繰りかえす。
極大期:きょくだいき
極大期とは。太陽の活動が激しく、黒点の数が多い状態の太陽のことである。 太陽は一定の周期(約11年)でこの極大期と、 はんたいの極小期とを繰りかえす。
光球:こうきゅう
光球とは、太陽を可視光線で観測したときに見える太陽の表面のことであり、 対流層の上、彩層の下にある。
黒点:こくてん
黒点とは、太陽の表面にあらわれる黒い点のことであり、 ふつうの表面が6000度なのにたいして、黒点は4000度と低くなっている。 また、一定の周期(約11年)で増減をくりかえす。
コロナ:corona
コロナとは、太陽の上空にある部分のことであり、遷移層の上にある。 100万度以上の高熱を発していることが観測からわかっており、 太陽表面の温度が約6000度であることを考えると、 表面よりも上空のほうが圧倒的に温度が高い、という不思議な現象がおこっている。
コロナ質量放出:ころなしつりょうほうしゅつ
コロナ質量放出とは、フレアの発生時に、 太陽のコロナにふくまれるプラズマが宇宙空間に放出される現象のことである。 英語では "CME" "Coronal Mass Ejection" とよばれる。 そのとき、強い太陽風がともにうみだされる。
コロナ・ホール:coronal hole
コロナ・ホールとは、太陽を紫外線で観測したときに見られる黒い部分のことである。 コロナに穴が空いたように見えることから、コロナ・ホールと呼ばれる。 また、太陽風の大部分はここから放出される。
コロナ・ループ:coronal loop
コロナ・ループとは、太陽を紫外線で観測したときにみられる半円状の構造のことである。
彩層:さいそう
彩層とは、太陽の上空にある部分のことであり、光球の上、遷移層の下にある。
最低温度層:さいていおんどそう
最低温度層とは、太陽で最も温度の低い層のことである。 彩層の直下に位置するにもかかわらず、4000度と温度が黒点並みに低くなっている。
シアノバクテリア:cyanobacteria
シアノバクテリアとは、光合成を行う原核生物 (細胞核をもたない生物)のことである。 シアノバクテリアが酸素を排出することによって、 地球の大気に酸素がふくまれるようになった。 おもに海中に生息しているが、浅瀬に生息しているものもいる。
ジオエンジニアリング:geoengineering
ジオエンジニアリングとは、エアロゾルをばらまくなどして、 人工的に地球の気温をコントロールし、 気候変動をふせぐことを研究の目的とする科学分野のことである。
紫外線:しがいせん
紫外線とは、わたしたち人間には見えない電磁波の一種のことである。 しかし、人間の目には見えないだけで、強い紫外線を浴びると、人間の肌は日焼けする。 太陽からはなたれた紫外線には生命にとって有害なほど強いものもあるが、 地球のオゾン層や大気によってその大部分が吸収される。 そのおかげで、わたしたちは安全に暮らすことができるが、 それはつまり、地上からでは紫外線観測ができない、ということでもある。 したがって、紫外線観測には人工衛星が不可欠である。
磁気嵐:じきあらし
磁気嵐とは、太陽風に運ばれてやってきたプラズマが、 地球の磁気圏をみだすときにおきる現象のことである。 スーパーフレアによる大規模な磁気嵐が発生すると、 人類の文明にきわめて大きな被害が発生する。
磁気圏:じきけん
磁気圏とは、地球のまわりをつつんでいる磁場のことである。 ほかの惑星の磁気圏と区別するために〈地球磁気圏〉とも呼ばれる。 地球全体は巨大な磁石のようになっており、その磁石が磁場を作り出している。 そして、宇宙をただよう放射線から地球をまもるシールドの役割をはたしている。
人工衛星:じんこうえいせい
人工衛星とは、地球の上空をまわっている人工的な機械のことであり、 人類の文明をささえている基盤となっている。 もっとも身近な例として GPS に使われている人工衛星が挙げられる。 それだけでなく、気象の観測や宇宙探査、通信、測量などにもつかわれている。 もちろん、太陽の観測にも人工衛星はつかわれている。
スヴェンスマルク仮説:すゔぇんすまるくかせつ
スヴェンスマルク仮説とは、 地球にふりそそぐ宇宙線が大気をイオン化して雲の原料となるエアロゾルを増やしているため、 あるいは、宇宙線が地球の大気に直接的に作用し雲の量を増やしているため、 宇宙線の量が増えれば地球に発生する雲が多くなり、地球の気温が低くなる。 ぎゃくに、宇宙線の量が減れば地球に発生する雲が少なくなり、地球の気温が高くなる、 という仮説である。
ストロマトライト:stromatolite
ストロマトライトとは、シアノバクテリアに海中の堆積物がくっついたもののことである。 見た目は大きな石にしか見えないが、れっきとした生物である。 現在でもオーストラリア西部などの人里はなれた場所に生息している。
スノーボール・アース:Snowball Earth
スノーボール・アースとは、地球が北極・南極の付近だけでなく、 赤道付近までふくめて、全体が氷でおおわれた現象のことである。 スヴェンスマルク仮説によれば、スノーボール・アースの原因は、 太陽系が宇宙線の強い領域に入ってしまったために、 地球にかずおおくふりそそいだ宇宙線によって地球の雲が多くなり、 気温が低くなってスノーボール・アースになった、と考えられている。 しかし、べつの仮説によれば、シアノバクテリアが酸素を排出したことで、 地球の大気にふくまれるメタンなどの温室効果ガスの割合が変化し、 気温が低くなってスノーボール・アースになった、とする説もある。
スーパーフレア:superflare
スーパーフレアとは、 人類の文明にきわめて大きな被害をあたえるほど大規模なフレアのことである。
赤外線:せきがいせん
赤外線とは、わたしたち人間には見えない電磁波の一種のことである。 エアコンやテレビのリモコンには、おもに赤外線がつかわれており、 そのほか、さいきんではスマートフォンの顔認証技術にもつかわれている。 また、車の自動運転に欠かせない技術の一つである LiDAR でも赤外線をつかうばあいがある。 そして、太陽も赤外線をはなっている。
遷移層:せんいそう
遷移層とは、太陽の上空にある部分のことであり、彩層の上、コロナの下にある。
太陽核:たいようかく
太陽核とは、太陽の中心にある部分のことであり、放射層の下にある。 わたしたちがふだん目にしている光をふくめて、太陽のエネルギーはすべてここでうみだされている。
太陽圏:たいようけん
太陽圏とは、太陽風が宇宙線をふせいでいるゾーンのことである。
太陽風:たいようふう
太陽風とは、太陽から放出されているプラズマのガスのことである。
対流層:たいりゅうそう
対流層とは、太陽の内部にある部分のことであり、放射層の上、光球の下にある。 そして、放射層でうまれたエネルギーを光球につたえている。
ダーク・フィラメント:dark filament
ダーク・フィラメントとは、太陽の正面に現れたプロミネンスのことであり、 周囲より温度が低いため黒い筋のように見える。日本語では〈暗条〉ともよばれる。
タコクライン:Tachocline
タコクラインとは、放射層と対流層とのあいだにある遷移領域で〈速度勾配層〉ともよばれる。 放射層と対流層とでは回転する速度にズレがあり、 それがダイナモとしてはたらくことで太陽に強烈な地場をもたらしている、 と推測されている。
電磁波:でんじは
電磁波とは、 ガンマ線、X線、可視光線、赤外線、電波、といった空間をつたわる波の総称のことである。
電波:でんぱ
電波とは、わたしたち人間には見えない電磁波の一種でのことある。 携帯電話などは電波をつかって情報のやりとりをしており、 また、レーダー技術にも電波はつかわれている。 そして、太陽も電波をはなっている。
電離:でんり
電離とは、ふつうの原子から電子がいくつか離れていくことである。 原子を高温で熱すると、原子核の周囲にあった電子がひとつずつ離れていく。 たとえば、コロナのもっとも熱い場所の温度は1000万度にも達するが、 そこでは20の電子が原子から離れていった鉄、つまり20階電離の鉄がある、 ということが観測からわかる。
バウ・ショック:bow shock
バウ・ショックとは、地球の磁場に太陽風がふれた際にできる衝撃波のこと。 〈弧状衝撃波〉とも呼ばれる。
白斑:はくはん
白斑とは、太陽の表面にあらわれる白い点のことであり、 ふつうの表面よりも温度が高くなっている場所である。 黒点とセットになってあらわれる。
波長:はちょう
波長とは、電磁波を分類するときにつかわれる長さのことである。 単位記号はÅ(オングストローム)がつかわれる。 電磁波をくわしく分析すると、それは波の性質をもっており、 波長の短いものから順に、 ガンマ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、電波、というふうに分類でき、 波長の短い電磁波ほどエネルギーが高く有害である。 機械の発展していなかった時代では太陽観測は可視光線にかぎられていたが、 現代ではさまざまな種類の電磁波で観測することができ、 太陽の謎を解明するのに役立っている。
プラズマ:plasma
プラズマとは、気体の物質を高温で熱することで原子が、 原子核と電子とに分離し不安定になった状態の物質のことである。その状態の物質は、 個体、液体、気体という物質の三つのかたちのいずれにもあてはまらない状態なので、 プラズマは物質の第四の状態ともよばれる。 そして、太陽はそのほとんどがプラズマの水素とヘリウムとで構成されている。
フレア:flare
フレアとは、太陽で起きる爆発的な現象のことである。 大規模なものはスーパーフレアと呼ばれる。
プロミネンス:prominence
プロミネンスとは、100万度以上の高熱を発するコロナにのなかにありながら、 1万度と比較的低い温度になっている部分のことである。日本語では〈紅炎〉ともよばれる。 数分でかたちを変えてしまうような激しいプロミネンスもあれば、 数週間も同じかたちをたもつしずかなプロミネンスもある。 また、見た目が派手なのでフレアとかんちがいされやすい。 そして、プロミネンスは太陽のフチにあらわれたばあいは赤く見える。 しかし、太陽の正面にあらわれたばあいは黒く見えるため〈ダーク・フィラメント〉ともよばれる。
放射線:ほうしゃせん
放射線とは、専門的には「高いエネルギーをもち、電離した状態の電磁波や粒子線」のことであるが、 一般的には「生命にとって有害な電磁波」のことである。 太陽も、ガンマ線やX線のような放射線をはなっているが、そのほとんどは地球の大気に吸収される。 そのおかげで、わたしたちは安全に暮らすことができる。
放射層:ほうしゃそう
放射層とは、太陽の内部にある部分のことであり、 太陽核の上、対流層の下にある。 そして、太陽核で生まれたエネルギーを対流層につたえている。
粒状斑:りゅうじょうはん
粒状斑とは、太陽の表面に見られる粒のようなかたちをした模様である。 しかし〈粒〉という名前に反して、そのサイズは小さいものであっても、 東京と福岡との距離と同じくらいのサイズがある。 そして、粒状斑の動きを観測すると、 まるで沸騰する水のようにブクブクと泡だっていることがわかる。
GPS
GPS とは、Global Positioning System の略で、 日本語で〈全地球測位システム〉とよばれ、人工衛星を使って自分が地球上のどこにいるのか、 を測定するシステムのことである。 専門的には「アメリカが所有する人工衛星のみが GPS 衛星とよばれる」が、 一般的にはアメリカ以外の人工衛星でも、GPS と同じはたらきをするのであれば、 「日本が打ち上げた GPS 衛星のみちびき」というように GPS 衛星としてみなされる。
SDO
SDO とは、 アメリカ航空宇宙局 (NASA) が2010年に打ちあげた太陽を観測するための人工衛星のことである。
SILSO
SILSO とは、ベルギー王立天文台が運営している太陽観測に特化した研究機関のことである。 太陽の黒点については、ここの情報がもっとも充実している。
SOHO
SOHO とは、アメリカ航空宇宙局 (NASA) とヨーロッパ宇宙機関 (ESA) とが、 共同で1995年に打ちあげた太陽を観測するための人工衛星のことである。 しかし、ふつうの人工衛星とちがい地球の上空をまわらず、 地球から少し離れた場所にとどまりながら観測をつづけている。 また、LASCO というコロナをくわしく観測するための特別なカメラを二つ装備している。
X線:えっくすせん
X線とは、わたしたち人間には見えない電磁波の一種のことである。 わたしたちは主として健康診断のときにレントゲン撮影をおこなうが、 そのときにつかわれるのがX線である。 X線は放射線の一種であり、太陽からのX線も本来ならば命にかかわるほど有害である。 ただし、太陽からのX線はほとんど地球の大気に吸収される。 そのおかげで、わたしたちは安全に暮らすことができるが、 それはつまり地上からではX線観測ができない、ということでもある。 したがって、X線観測には人工衛星が不可欠である。