太陽の基本
そもそも太陽とは
太陽は地球から見えるもっとも明るい星であり、地球に日光をもたらしてくれます。
植物はその日光をつかって栄養を生みだし、動物はその植物から栄養を得ています。
人間も動物のように栄養を得ています。また、さいきんでは日光から電気をつくることもしています。
このように太陽はわたしたちの生活になくてはならないものですが、
太陽は過去からつねに同じ存在だったわけではありません。
・太陽(可視光線)
Courtesy of SOHO (ESA & NASA).
太陽の過去、現在、未来
太陽は、過去にはいまよりも目で見える明るさ(可視光線での明るさ)が暗い星であり、
少しづついまの明るさにちかづいていった、と考えられています。
そして、未来の太陽は明るさがどんどん増えてゆき、
地球は、人間どころかどんな動物や植物も住めないほどの熱い星になってゆきます。
ただし、それほど熱くなるのは10億年以上先のことなので、
太陽が熱くなって人類が滅亡することに絶望して、自暴自棄になる必要はありません。
それでは太陽は、たとえばひとりの人間が生きているあいだ、つまり約100年のあいだは、
つねに変わらない存在でありつづけるのでしょうか。その答えは "No" です。
太陽の変化
太陽は、わたしたちがふだん見ているかぎりでは、朝は東の方角から上り、
夕方は西の方角に沈みます。季節によって上る時刻と沈む時刻とが変わることはあっても、
その東から西へと進む運動が、ある日とつぜん西から東へと進む反対の運動に変わる、
ということはありえない、とわたしたちは知っています。
しかし、運動という面からみると変化しない太陽であっても、
それ以外の面からみると、激しく変化していることがわかります。
その変化しているものの例として、
太陽の表面にしばしばあらわれる黒い点のようなもの、つまり〈黒点〉が挙げられます。
黒点
黒点とは、その名のとおり、太陽の表面にあらわれる黒い点です。
しかし〈点〉という名前に反して、そのサイズは小さいものであっても、
地球とおなじくらいのサイズがあります。ただし、黒点はつねに太陽の表面に存在する、
というわけではなく、まったく観測されないこともあります。
また、太陽の黒点を何十年、何百年とつづけて観測したところ、
一定の周期(約11年)で増えたり、減ったりをくりかえしている、
ということもわかっています。
そして、太陽の表面に黒点がたくさんあらわれると太陽の活動が激しくなります。
それを〈極大期〉といいます。
いっぽう、太陽の表面に黒点がほとんどあらわれないと太陽の活動が穏やかになります。
それを〈極小期〉といいます。
太陽と地球の気温
また、太陽が極大期をむかえているばあいは地球の気温が高くなり、
ぎゃくに極小期をむかえているばあいは地球の気温が低くなる、
という関係があることがわかっています。
ここで、こんな疑問をもつひとがいるかもしれません。
「黒点は、太陽の表面温度が低い場所である、とわたしはかつて学校で教わった。
しかし、そういう温度の低い場所が増えたら、地球の気温が高くなる、
というのはなぜなのだろうか。ふつうは地球の気温が低くなるのではないか」と。
そのような疑問をもつのはごく自然なことです。
その疑問にたいしてかんたんに思いつく答えとしては、
「太陽が極大期のばあいは、たしかに表面温度の低い場所である黒点が多くなるが、
ぜんたいとしては太陽が活発になり、太陽光のエネルギーの強さが増して地球の気温が高くなる。
いっぽう、太陽が極小期のばあいは、それとはぎゃくのことが起こる」
というものが挙げられます。しかし、この答えはまちがっています。
なぜなら、太陽光のエネルギーの強さは、わずかに増減することはあっても、
気温に影響をあたえるほど大きくゆれうごくことはないからです。
それでは、いったい何が原因で地球の気温が上下するのでしょうか。
その答えについては、現在の天文学ではまだ定説が確立されていません。
しかし、有力な仮説として
「太陽が活発な極大期では地球に発生する雲が少なくなり、
太陽の光が雲で反射されず地表にとどき、結果として地球の気温が高くなる」
というものがあります。
・黒点(可視光線)
Courtesy of NASA/SDO and the AIA, EVE, and HMI science teams.